敗因は完成度の高さ しかし、上昇の兆しが見えた1試合 今治戦Review②

冒頭、少し僕自身の意見を述べます。読みたくない方、試合のReviewだけ気になる方は「主導権を握り、ビルドアップを放棄させた岐阜のプレス」まで飛ばしてください。そこから今治戦の良かった点と改善点を述べています。

初めに

今治戦、非常に良かったと思います。畑以外は適材適所に配置され、今シーズン初スタメンで緊張していた生地を宇賀神、石津、柏木、田中が試合前、試合中も声をかけ続け伸び伸びとプレーさせていました。これこそベテランと若手の融合だと思いました。宇賀神のWB起用をやめて左CB起用もハマっていましたし生地の右WBも素晴らしかったです。

選手をほぼ適材適所に配置した今治戦の戦い方を継続して欲しいです。どのような経緯でこの選手起用、配置に辿り着いたのかは分かりませんが横山監督主導なら評価されるべき点だと思います。ただ、キャンプからHCとして選手のプレーを見続けた横山監督が適材適所に気付くまで半年、監督に就任してから3か月かかるのは気になります。栃木でも長野でも2年目に成績が向上したのは戦術が浸透したのではなく、選手の適材適所に気付いたからなのではないかと思ってしまいます。この辺りは現場の人間しか知らないのでこれ以上言及しません。

この修正は横山監督主導であり、ここから原則などが落とし込まれれば続投反対の意見も変わります。

監督のタイプ、特性

監督のタイプをかなりざっくり2つに分けると「抽象化した決め事しかせず、大枠の原則の中で局面に合わせて適切な判断を選手に委ねる」タイプと「明確な原則、約束事を落とし込み、選手が試合中に考える時間を減らす。原則に則って現場判断で選手が応用するのはOK」タイプに分かれると思います。(あくまでも持論) そして横山監督は前者のタイプだと思っています。

僕自身は後者が正解で前者が不正解と言う考え方です。これは横山監督が悪いという訳ではなく、このままでは勝てないと思うから後者の考えを持つ監督を招聘すべきだという考え方です。人間それぞれの考え、哲学を持っているので横山監督自身は否定しません。ただ、応援しているチームが強くなるためにと考えた時、多くいるサポーターの中の1人が続投はあり得ないと思う、ただそれだけなのです。クラブは外野の声なんて気にしていませんし、1人のサポーターの声を聞くわけがありません。僕が発信したところで影響はないのです。僕は自分の考えを述べるためにこのブログをやっているだけなのです。読者に共感して欲しい、意見を変えて欲しいなんて思いません。

僕が「後者が正解で前者が不正解」と考える理由としては過去と比べて現代サッカーは局面が目まぐるしく変わる事が挙げられます。そのスピードが全然違います。明確な原則が無いと考える時間が増えます。しかし、現代サッカーでは0.1秒が命取りになるのです。その間に相手に寄せられたり、パスコース、シュートコースが消されてしまいます。左右に振っても相手のスライドが間に合います。しかし、明確な原則があり、選手の思考を助けられれば選手の判断が速くなり攻撃のテンポも上がります。意思疎通もしやすいのでコンビネーションも生まれやすいですよね。広大なピッチ上で考え方、価値観の違った11人がその場で1から意思疎通するなんて不可能なのです。そして、最大の効果は選手個の能力に左右されにくい事です。0から2までを監督が決め、3から10を選手が決める事と0から6を監督が決め7から10を選手が決める事ならどちらが選手個の能力に依存されにくいですか?

仮に、レアルマドリードのような現場判断に卓越した11人が在籍しているなら前者のやり方で勝てます。しかし、FC岐阜はJ3ですよ。現場判断に優れた選手を最低11人獲得するにはどれだけお金を積めばいいのでしょうか?お金を積んでもJ2、J1からオファーが来たら選手はFC岐阜を選ぶと思いますか?若い選手なら尚更上位カテゴリーでプレーしたいと思うはずです。優秀な選手を集めるにはクラブの価値を上げる、憧れのクラブになる必要があるのです。今の岐阜にその価値があるとは思えませんし、毎年人件費に5億以上かける余裕もありません。だから選手は集まらないので前者のようなサッカーで勝つのは現実的ではないのです。

だから横山監督の続投は反対しているのです。

ここからは今治戦をポジティブに捉えた理由を述べます。

主導権を握り、ビルドアップを放棄させた岐阜のプレス

今治の攻撃の原則はPreviewで述べた通りです。そしてYSCCのプレスがハマったシーンのアニメーションを載せます。YSCCの戦術を参考にしたのかどうかは分かりませんが横山監督就任後、初めて見違えるほど連動したプレスをしていました。2週間の準備期間があって出来るのならもっと早くやって欲しかったというのが本音ですがこれは素晴らしい改善です。

まずは今治戦Previewで紹介した今治の攻撃の原則です。

ここから今治のビルドアップをハメたYSCCのプレスを2つ紹介します。今治戦Previewで紹介済みです。1つ目です。

2つ目です。

前5人の配置は岐阜とYSCCでは若干違いますが、プレスの原則は似ていました。3:27~のシーン、4:21~のシーン、6:28~のシーンと立ち上がり立て続けにプレスにはめた為、今治はボールを前に運べませんでした。その結果、今治の最初のシュートは39:40、これは監督、コーチ陣が今治を研究して準備した結果だと思います。素晴らしい準備ですね。監督、コーチ陣、スタッフは称賛されるべきだと思います。

今治のカメラワークはプレー中も選手を抜いているシーンが多く、見たい部分が見られないシーンが多くて残念ですが出来る範囲でアニメーションを作成します。

まずは3:27~のシーンですね。

4:21~のシーンです。奪い方は最高でした。奪ったボールをゴールに繋げられれば展開は変わっていたと思います。この先はこの精度も上げたいですよね。

最後は6:29~のシーンです。

試合開始から6分30秒までに左サイド、中央、右サイドでプレスにはめ、今治は混乱したに違いありません。プレスによって能動的に主導権を握った時間帯で得点するのが今後の課題ですね。

そしてこのプレスは未完成なので修正も必要です。次はそのシーンを見ていきましょう

修正が必要な同サイド圧縮のプレス

18:21~はこのプレスの課題が出たシーンでした。このプレスは2週間で浸透させられる事はほぼ不可能なのでこの試合に関しては仕方がありません。中を固めてサイドへ誘導し、サイドはWBが縦を切る守備が出来ていただけで素晴らしいと思います。

18:21~だけ切り抜くと選手が走っていないように思える、悪意のある切り抜き方になるので18:00~アニメーションを作成します。

このシーンでは田中が頑張るか、プレスバックしてしんどいなら藤岡にコーチングをしてボランチを監視してもらう必要がありました。

もう1つ紹介します。60:55~のシーンです。

このシーンでは石津に頑張って欲しかったです。ハイプレスをするには前線の選手の運動量は必須です。プレーを見ていれば分かりますが、田中、石津は走れないわけではなく、献身的なプレスバックを繰り返せる選手です。ただ、CBのマークからボランチのマークへ切り替える判断スピードが遅いので、プレスの原則を構築して考えなくても動けるように落とし込みたいですね。勿論、若手でも原則が無ければこの判断は遅くなります。落とし込むには時間がかかりますが粘り強く取り組んで欲しいです。

サッカーの守備を雨漏れ対策に例えると「漏れている部分を修理して止める」or「雨漏れを受け止めるバケツを大きくする」しかないと思います。雨漏れ対策は両方同時に出来ますがサッカーはそうはいきません。「ハイプレスをして出所を防ぐ」or「後ろに人数をかけてドン引きする」の二択だと思っています。

ハイプレスは前線の選手の負担が大きいですが、前線の選手が走らなければ全員で自陣ゴール前まで全速力のプレスバックする必要がありますし、ドン引きすれば全員が左右に振られ続け、鳥取戦のように走らされ続けます。そうなるとFWに頑張ってもらうしかありません。ただ、FWにはメリットがあります。自分自身、ゴールに近い場所でプレー出来るので得点の可能性が上がるのです。得点の為ならFWは走れますよね。

構築するのは簡単ではありませんがこの守備が観たいなと思っています。他の方法のハイプレスでもいいので横山監督、期待しています。ただ、現状の守備をベースに考えるとこの同サイド圧縮のプレスが最適なのかと思います。

攻撃(主にビルドアップ)の向上

この試合では大きく攻撃の向上が見られました。まずは、ビルドアップです。17:15~のシーンですね。

柏木のビルドアップの関わり方は流石でしたね。そして生地もパスコースに顔を出したことでプレス回避が出来ました。生地の位置が高いとプレスにハマります。逆サイドの畑はポジショニングが高すぎてボールを受けられないシーンが多かったです。

ビルドアップ→右サイド→左サイドの展開は素晴らしかったですが左サイドで攻撃が停滞してしまいました。左WBに菊池や透馬を起用すると藤岡へパスが捌けたり、ドリブルで仕掛けられたと思います。何度も言ってますが畑はそのタイプではないので結果的にバックパスが増えてしまいます。

前半アディショナルタイムの45:55~のシーンは理想的な攻撃と言っていいかもしれません。

流れの中でフレイレが右CBになりましたが、前線へのサポートも速いのでもしかしたら藤谷真ん中、フレイレ右CB起用もありかもしれませんね。案外、右に配置する事で球離れが良くなるかもしれません。

WBに畑ではなく、外で勝負する選手が配置されたら庄司の選択肢も増え、得点の期待も高まったと思います。畑は中で輝く選手なのでWBにはサイドのスペシャリストを配置して欲しいです。そうすれば攻撃はもっと活性化しますし、畑も中で起用されれば得点は増えます。畑の得点感覚は藤岡並みに素晴らしいですよ。サイドに置いておくのは勿体ないです。

ただ一連のビルドアップは素晴らしかったのに加えて宇賀神の対角線のロングボールは流石でした!!!

畑のWB起用による失点(畑が悪い訳ではない)

良い流れだったのに44:15~(ハイライト1:29~)で失点してしまいました。本当に勿体ないです。ここも畑のWB起用の弊害が出ています。畑は前向きの守備は得意ですが戻る守備は苦手なので仕方がないです。畑が可哀想だと僕は思います。

アニメーションでも解説します。皆さんは畑の戻る守備についてどう思いますか?僕はスピードを緩めずにスライディングしたらパスコースが消せたのではないかと思います。

今治は前半、数回プレス回避をします。34:36~では畑が1対1で縦突破されてボールを運ばれます。そのほかのシーンでも畑の裏を狙うシーンがほとんどです。逆サイドの生地は裏対応が上手なので前半は1度もやられていなかったと思います。ビルドアップも右サイドはスムーズでしたが左サイドはどうだったでしょうか?チャンスも右サイドは多かったですが左サイドはどうだったでしょうか?左右のバランスが悪ければ右サイドの生地へのマークがきつくなるのです。

攻守に渡って畑のWB起用が裏目に出て、先制点を許す要因になり、試合を難しくしていたのです。だからこそ畑はWBではなく、シャドーや2トップの一角で起用して欲しいのです。サイドのスペシャリストはいるのですから、、、

今治戦Review③出します。

ここには書ききれなかったので今治戦Review③も作成します。以下の内容を予定しています。

  • 生地の攻守に渡る活躍
  • 柏木の負担を減らす為の周りの助け(庄司の課題)
  • 藤谷の課題

長いですが最後まで読んで頂きありがとうございました。